食べる事は楽しみの他に、治療の一環という側面もあります。出来る限り口から食品を取り込むことで、病気に対抗する体力も気力も沸いてくると思います。がんの食事療法には、糖尿病や高血圧のような確立した治療食はなく、それぞれの症状、体調に沿った内容を検討していきます。
★回数
がんの食事療法で「好きな時に、好きなものを、食べられる量で」というものがあります。1日3食にこだわらず、少しずつでも食事を摂る事が出来ればいいですね。音楽を聴きながら、眺めの良いところで、楽な体勢で、リラックスする事もいいかと思います。
★制限
がんの治療食では基本的に食べてはいけない、避ける食品はありません。しかし医師から塩分を控える等指示が出る場合もあります。
★症状別の工夫
①体重減少
少量で高カロリーの食品を利用します。1度にまとめてとらず、間食を取り入れます。はちみつやジャムなどの糖分も取り入れます。
②吐き気や嘔吐のあるとき
水分の多い果物や、冷たいもの、あっさりしたもの、口当たりのよいものが食べやすいようです。しかし、無理して食べない方がよい場合もあるので、担当医に相談したり、1~2回食事を抜く方法もあります。
③噛みにくい、むせやすいとき
むせにくい体勢を看護師等に確認して工夫します。
汁物等にはとろみをつけたり、固形のものはペースト状に調理すると食べやすくなります。
★口の中を清潔に
治療中は口内炎が起こったり、口が渇く、傷つきやすくなります。毛先の柔らかい歯ブラシを使用し、起床後、毎食後、就寝前に歯磨きやうがいを行います。舌の汚れも落とし、口の中を常に清潔にします。
こうしてみますと、通常の体調不良の時の対症方法と似ています。しかし健康であれば数日の事ですが、がん治療となると長期間になる事もあります。がんばろうと思いすぎると食べる事が重荷となり辛くなってしまいます。また食事の準備の負担も大きくなります。サイトなどでは数多くレシピも出ていますし市販のゼリーや補助食品もありますので、役立ててみてもいいかと思います。